任意整理とクレジットカードの関係性について
クレジットカードで作ってしまった借金も任意整理で減額することができるものの、任意整理をすることで様々なデメリットが生じます。任意整理をすることで、生じる状況を予め把握しておくことは大切です。
ここではクレジットカードの借金を任意整理する際に知っておかなければならない知識と、任意整理後にクレジットカードを作る時の注意点を説明していきます。
クレジットカードの債務は任意整理で減らすことができる
クレジットカードの利用額がかさんでしまい返済が難しくなってしまった時には、任意整理を行うことで借金の額を減らすことができます。
クレジットカードは先に商品を購入して、購入した商品の代金とその金額に応じてかかる利息をクレジットカード会社に返済していくというものです。
任意整理は債権者との話し合いによって、借金の総額を減少させることができる方法です。
任意整理はクレジットカード会社に返済していく利息分のカットを行うことで、借金の総額を減らすことができます。ただし、借金の元本自体を減らすことはできません。
任意整理の手続きをするとブラックリストに載る
ブラックリストとは
債務整理をすると、ブラックリストに載ってしまいます。
ここでいうブラックリストとは、個人信用情報機関に事故情報が登録されることを指します。
3ケ月以上の遅延があった場合や1~2ケ月以上の返済遅延を繰り返している場合、債務整理を行った場合などにブラックリストに登録されます。携帯電話端末の分割払いが未払いの場合にも登録されるので注意しましょう。
個人信用情報機関に事故情報登録されると、その情報が金融機関で共有されるため、一定期間は住宅ローンやカーローンなどの借入ができなくなります。クレジットカードなどの新規作成もできません。
債務者の事故情報が個人信用情報機関に登録される期間は、個人信用機関により異なりますが、概ね5~10年の間となっています。
任意整理をするとクレジットカードが使用できなくなる
債務整理の一種である任意整理をした場合、JICCという個人信用情報機関に事故情報が登録されます。
CICや全国銀行協会には、任意整理そのものが事故情報として登録されることはありませんが、3ヶ月以上の延滞や保証会社による代位弁済は事故扱いとなります。
個人信用情報機関に事故情報が登録されると、新規でクレジットカードを作成することが難しくなります。すでに持っているクレジットカードについても、事故情報が発覚すれば、利用停止が一般的です。
クレジットカード会社では、クレジットカードの更新時に利用者の信用状況を問い合わせることが多く、その時点で債務者の状況がバレてしまいます。
クレジットカード会社によっては、このような途上与信を頻繁に行っているところもあり、更新時以外でも債務者の状況が発覚して利用停止になることがあります。
ローンも組めなくなる
“人信用情報機関へ事故情報の登録がおこなわれた段階で、住宅ローンやカーローンなどを組むことができなくなります。
ただし、一生ローンを組むことができないわけではなく、事故情報の登録がされている5~10年の期間だけです。
任意整理には、自己破産などと異なり、特定の債権者だけを選んで債務整理することができるという特徴があります。
もし、任意整理をする前にマイホームの購入に住宅ローンを組んでいた場合、その住宅ローンを任意整理の対象から外すことで家を残すことができます。
ただし、住宅ローンの返済は今まで通りに、遅延や未払いといったことがないように支払っていかなければなりません。
特定のクレジットカード会社だけ対象から外すことはできる
任意整理は債務整理の手続きの一つで、裁判所を介さずに債務者が債権者と直接交渉して借金の減額を行う方法です。
クレジットカードの借金も任意整理で減らすことができますが、任意整理をしたクレジ任意整理は私的な交渉のため、整理する債務を選択することができます。
そのため、支払いや引き落としで利用していて使えなくなるのは困るという場合には、特定のクレジットカードに影響が出ないように対象から外すことが可能です。
任意整理をするといずれどのクレジットカードも使えなくなる
クレジットカード会社は、カード発行後も利用状況に問題ないか個人信用情報機関に問い合わせて信用情報を確認しています。
これを途上与信といいますが、多くの場合でクレジットカードの更新のタイミングで行われます。
任意整理の場合、信用情報から事故情報が消されるには5年かかりますが、ほとんどのクレジットカードが事故情報の削除前に更新を迎えてしまうことが多いです。
そのため、特定のクレジットカードを任意整理の対象から外してもいずれは使えなくなってしまいます。
クレジットカードの任意整理をする場合の注意点とは
引き落としているものは任意整理前に変更する
任意整理の手続きをすると、クレジットカードは使用できなくなります。
そのため、水道料金、電気代などの公共料金や携帯電話代の支払いをクレジットカード払いにしている時は、それぞれの会社に連絡して支払い方法の変更を通知しましょう。
変更せずに任意整理をしてしまうと、料金未払いとなり生活に支障が出る可能性がありますので注意しましょう。
ショッピングローンを任意整理すると購入した商品を引き上げられることがある
クレジットカードのショッピング枠の借金を払いきれない場合に、このローンについても任意整理をすることが可能です。
しかし、購入した商品はカード会社によって回収される可能性があるので気を付けなければいけません。日用品のような少額のものは対象とされにくいですが、車のように高額のものは引き上げられてしまう場合がほとんどです。
引き上げる対象にするかどうかの判断は各カード会社が決めるものなので、そのような状況にならないと分からないというのが実際のところです。
商品の回収をどうしてもされたくないといった場合は、任意整理の手続き対象から外すことができるので専門家に相談してみると良いでしょう。
キャッシング枠とショッピング枠のどちらか一つを任意整理することはできない
クレジットカードを利用していて、キャッシング枠とショッピング枠の両方について払いきれていない借金があったとします。
せめて片方だけでも任意整理をして、負担を軽くしたいと思う方もいるのではないでしょうか。しかし、残念なことにそれはできません。
任意整理をするとクレジットカードが解約扱いになってしまうので、片方だけ対象から外すことはできません。
キャッシング枠の借金を任意整理するときには、ショッピング枠の借金も整理することになります。
任意整理をすると完済から5年間はクレジットカードを作成することができない
任意整理を行うことは、金融機関にとっては損に当たるので、金融事故として扱われます。
そのため任意整理の手続きを行うとブラックリストに登録されます。登録機関は5年間です。
ブラックリストに等速されると新しい融資が受けられなくなります。
もちろん新しくクレジットカードを作成したり、車や住宅のローンを組んだりすることもできせん。
登録情報は5年で消去されるので、その後であればクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりすることはできます。
任意整理後にクレジットカードを作成する場合のポイントとは
任意整理したところに申し込まない
任意整理後はブラックリストに登録されるため、少なくとも掲載期限である5~10年間は新規でクレジットカードを作ることはできません。
また期限が経過してブラックリストから外れたとしても、債務整理の対象にしたクレジットカード会社からは、新規発行できないので注意が必要です。
一度でも事故情報が載ると、そのクレジットカード会社内では、要注意すべき債務者としてデータに残るからです。したがって、任意整理後にクレジットカードを作る際は、任意整理を行った会社には申し込まないことが大切です。
短期間に複数の会社に申し込もない
任意整理後にクレジットカードを新規発行する際、気を付けるポイントはいくつかありますが、短期間に複数の会社に申し込まないことも、その内の1つです。
特にブラックリストの対象から外れた後は、不便さからの解放感や生活費の必要性から、ついつい一度に複数のクレジットカードを持ちたくなるものです。
しかしこれは、クレジットカードの審査において不利になるので、やってはいけません。というのも、カード会社の審査担当者は個人信用情報機関のデータを閲覧できるので、複数のカード会社に申し込みしている状況が一目瞭然だからです。
このような場合、他社の審査に落ち続けている人物、または規制を超えて使用する可能性がある人物、あるいは貸し倒れのリスクがある人物などとして、印象が悪くなるため、審査に落ちる可能が高くなります。
信用実績を作る
任意整理後は個人信用情報機関の信用情報がリセットされ、それまでの記録が真っ白になります。
そのためクレジットカードの新規発行もしやすいと思われがちです。
しかし、カード会社からすれば、その真っ白な状態は不自然なため警戒する要素になります。
信用情報が真っ白な状態の人は、これまでにカードやローンを利用したことのない未経験者か、債務整理を実行した人でしかないからです。
前者であれば返済能力が未知数なため、カード会社は慎重になります。
後者は言うまでもなく、カード会社から見ると信用性に劣る人なので、新規発行を回避したいと考えます。
そこでクレジットカードが必要なのであれば、信用実績を作ることが大切です。具体的には携帯電話の契約がおすすめです。
滞納することなく支払いを継続すれば、それがクレジットの信用実績になります。その後、クレジットカードに申し込むことで、審査が通りやすくなります。
任意整理後にクレジットカード代わりになるカードについて
デビットカード
任意整理後は、クレジットカードの代わりとなるのがデビットカードです。
デビットカードとは、カード決済をすると即座に自分の銀行口座から代金が引き落とされるカードのことです。
金融機関(一般に銀行)が発行し、現金代わりに使えますが、口座残高を超えない範囲での利用が可能です。つまり、銀行口座に必要な残高がなければ買い物ができませんから、使い過ぎの心配もありません。
このカードの発行には審査がありませんから、債務整理後の人も発行が可能です。16歳以上で銀行口座に残高があれば、職種や収入で落とされる心配も無用です。
デビットカードの使い方はクレジットカードと同じですので、任意整理後も現金を持ち歩きたくない人には便利です。
さらに通販やカード支払い限定の買い物をしたいという人にも、クレジットカード代わりの役目をしてくれます。
家族カード
任意整理をした人でも家族カードは使えます。
家族カードとは、クレジットカード会員の家族が利用でき、家族間で同じ口座から引き落としができるクレジットカードのことです。
カード会社によって異なりますが、一般的に対象は会員と生計が同一の配偶者、親と高校生を除く満18歳以上の子どもです。ただし、毎月の利用限度額は会員だけでなく、家族カードの利用額を合計したものです。
任意整理後は、家族がブラックリストに掲載されていないならクレジットカードを作成して会員になってもらいましょう。
その時点で家族カードも申請すれば、自分のクレジットカード代わりになります。
家族カードの契約者は会員ですから、会員がカード審査に通れば家族も基本的に無審査でカードを発行してもらえます。
まとめ
任意整理は利息をカットしたり、毎月の返済を減額して借金の総額を減らすことができる手続きです。
クレジットカードで作ってしまった借金も任意整理することができます。
ただし、クレジットカードを任意整理すると、そのクレジットカードは解約され使用できなくなります。
新規でクレジットカードを作成しようと思っても、任意整理をするとブラックリストに登録されてしまうので、新規でクレジットカードを作成することもできません。
もし、どうしてもクレジットカードが欲しい場合は、デビットカードや家族カードで代用できないか検討してみましょう。
任意整理後でブラックリストから削除されれば、再びクレジットカードを作成することができます。その際は、紹介した作成時の注意点を参考に、審査に通るように工夫をして申し込んでみてください。
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